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紹介
臨床心理学は、心の問題や精神疾患をもっている人々を対象としますが、障害のメカニズムを研究したり、治療法を試したり、効果比較をするだけの大きなサンプルが得られないことも多く、また倫理的問題等で研究できないことも少なくありません。アナログというのは「等価な」「連続な」という意味で、例えば、不安傾向の強い健常者を不安障害の人と等価とみなして研究することができます。対象者は少し違いますが、アナログ研究によって臨床に役立つ知見が多く得られることがわかってきました。が、この方法はまだ新しく、その実際が充分理解されているとはいえません。本書はアナログ研究の考え方から具体的な手法、研究例までをわかりやすく解説した、日本で初めての入門書です。
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目次
◆アナログ研究の方法――目次
目 次
臨床心理学研究法シリーズへの序文
はじめに
序 章 アナログ研究とは何か
1 はじめに
2 アナログ研究の目的
3 アナログ研究の方法論
4 本書の構成
第1章 心理的障害というカテゴリの実在性
1 はじめに
2 区分モデルから次元モデルへ
3 次元モデル(健常群との連続性)を支持するエビデンス
4 健常群と臨床群の連続性を解析するTaxometric分析
5 Taxometric分析の知見
6 精神病理の重複性を支持するエビデンス
7 サブタイプ論と症状別アプローチ
8 まとめ
学習を深めるための参考文献
第2章 アナログ「症状」の記述研究
1 はじめに
2 アナログ症状の実態
3 病理と健常の境界を探る研究
4 まとめ
学習を深めるための参考文献
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第3章 個人差を用いた異常心理学研究
1 はじめに
2 個人差を用いたアナログ研究
3 横断研究による異常心理学研究
4 神経心理学的な研究
5 媒介変数モデル
6 問題解決の動機が心配に対して示す影響
7 縦断研究のデザイン
8 縦断研究の例
9 まとめ
学習を深めるための参考文献
第4章 実験を用いた異常心理学研究
1 はじめに
2 実験室で症状を作り出した研究
3 気分誘導の技法
4 まとめ
学習を深めるための参考文献
第5章 個人差を用いた介入研究
1 はじめに
2 社会的問題解決研究の展開
3 認知行動療法的なスキルを自発的に用いる能力の測定
4 マインドフルネスの測定
―距離をおくスキルの重要性と自己観察の難しさ
5 マインドフルネスは不安感受性の悪影響を緩和する
6 規範的アプローチによる個人差研究から
心理療法の統合を考える
7 まとめ
学習を深めるための参考文献
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第6章 実験を用いた介入研究
1 はじめに
2 臨床群のアナログとしての介入実験
3 実験室で誘導された「病理」に対する介入研究
4 ポジティブ心理学的な介入
5 マインドフルネス瞑想による介入
6 心身の相互作用をターゲットとした介入
7 まとめ
学習を深めるための参考文献
第7章 アナログ研究と臨床のリンク
1 はじめに
2 臨床に由来する概念を非臨床群の研究に活かす
3 青年期における自己愛パーソナリティの研究
4 リアリティモニタリングを支える脳部位
― 統合失調症から健常な心理機能を考える
5 臨床群との比較から健常者の特徴を明らかにする
6 リスク要因の研究を予防的介入につなげる
7 まとめ
学習を深めるための参考文献
文 献――
人名索引――
事項索引――
コラム
0-1 学術雑誌に見るアナログ研究の位置付け
1-1 操作的診断基準とDSM
1-2 信頼性と妥当性
1-3 ベック抑うつ尺度(BDI)
1-4 主要なパーソナリティの理論
2-1 尺度の翻訳
3-1 Visual Analogue Scale(VAS)
3-2 増分妥当性
3-3 連続変数からカテゴリを生成する
3-4 ウィスコンシン・カード分類テスト(WCST)
3-5 状態と特性
3-6 抑うつの認知理論
5-1 確認的因子分析と探索的因子分析
6-1 介入にもなるアセスメント
6-2 介入研究のデザイン
6-3 プラセボ効果
6-4 マインドフルネス瞑想
7-1 論文の種類と研究業績
関連リンク
臨床心理学研究法シリーズ
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