六号通り診療所の石原です。
今日は水曜日なので、診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談で品川の方まで遠征します。
診断書や紹介状を書いて、
それから今PCに向かっています。
埼玉県で、15歳の少女が父親を殺害した事件がありましたね。
警察からリークされた情報で、
少女が犯行の前に、
「父親が家族を皆殺しにする」、
夢を見たというものがありました。
テレビに犯罪心理学の偉い先生が登場して分析を求められ、
「少女の父に対する鬱屈した感情が、
この不吉な夢によって後押しされた可能性がある」
と言う意味合いのコメントをしていました。
違うでしょう。
僕でも分かります。
夢は自分が見るものなんですから、
そんな後押しをする訳がありません。
この夢にもし問題のポイントがあるとしたら、
それは夢に出て来た「父親」が、
本当に「父親」かどうか、
ということです。
夢に特定の人物が出て来た時は、
まずその人物が本人なのか、
その人物が象徴するコンプレックスの代用なのか、
それとも全く別の人物なり感情が、
その人物の振りをしているだけなのか、
そのことを常に考えなければいけません。
この場合、少女は現実に父親を殺しているのですから、
むしろ夢の父親は、元は別の人物だった可能性の方が高いのです。
テレビに出て来たあの先生は、
夢のことはあまりお詳しくないのだと思います。
それなら、「分かりません」と言えばいいのに、
そうは出来ないんですね。